私が以前勤めていた沖縄のアパレル企業では毎年4月には新入社員が入社してきます。
大卒や高卒など、多い年は15人ぐらいが目をキラキラしながら社会人としての一歩を踏み出してきますが、半年後には約8割は消えていきます。
なぜなら、このアパレル企業はくそブラックだからです。
辞めていく新入社員たち
毎日時間外の業務があって休日出勤もしてる割には、アルバイトとあまり変わらない給料、ボーナス無しじゃあ普通なら働きたいとは思いませんよね。
それに上司からのパワハラもあるのでなおさらです。
新入社員が辞めるタイミングはある程度パターンがあって、まずメンタルが弱い人は入社2日3日で無断欠勤から始まり自然消滅で辞めていきます。
健全な企業なら何かしら不備があったかもしれないので辞めそうな人がいれば何かしらフォローするかもしれませんが、そんなのは一切ありません。
「根性のない奴だ!」と社長がグチって終わりなのです。
そして次に大卒の新入社員が辞めていきます。
なぜ大卒かと言うと、大学を卒業した人のほとんどは社会人なので、プライベートで友人同士 働く環境を比べることができます。
つまり会社を比べる物差しを大卒の人は持ってるので、自分が置かれてる環境がヤバい所なのかが早く分かるのです。
ある日、大卒の新入社員が
「友人との飲み会で、給料の話になったんだけど恥ずかしくて会話に入れなかった」
と言っていたのが印象に残っています。
その人はその時に辞めると決意したのでしょうか。気づいたら居なくなっていました。
ブラックアパレル企業だと確信した大卒の新入社員は、第二新卒という転職活動のチャンスがあるのでさっさと辞めていきます。
ある年には、大卒新入社員6人全員バックレるという非常に不名誉な記録まで打ち立てるまでブラック度に磨きがかかりました。
そしてまた「根性のない奴だ!」と社長がグチるわけです。
しかしなぜか高卒の新入社員だけは、なかなか辞めません。
なぜなら先ほど話した「物差し」が高卒には無いからです。
高卒で働く人は少数派、ほとんどが大学や専門学校へ進学するので、大卒の人達のように働いてる環境を比べる機会がほとんどありません。
残念なことに、それはブラックアパレル企業からしたら好都合で、情報弱者の高卒はブラックな働き方に洗脳しやすいのです。
社会に出たばかりの高卒の子は、教えられた働き方が社会人としての全てだと思い込んでいきます。
社長は「こいつ根性のある奴だ!」と大喜びし、ブラックアパレル企業はこうやって繁栄していくのです。
そして気づけば会社の方針で、新入社員は高卒のみの採用となってました。
…闇を感じます。
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